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2005.04.17 Sunday
15日に「また明日」と言いながら、しっかり日が開いてしまいました。1日が24時間なのは俺のせいじゃないので、俺に文句言うのはやめましょう。
嘘です、ごめんなさい。
それはともかくとして、よく考えたら妖怪の絵があるわけでもないのに、今昔妖怪図鑑というタイトルはおかしい気がしてきました。
今昔妖怪事典の方がいいかな、とも思ったんですが、面倒なのでこのままいくことにします。
さて、前回は “河童とは水神である” というところまで書きました。
今回、まずは俺の体験談から書いていこうと思います。
俺が中学生の頃まで住んでいたところは、山と川に囲まれた自然の豊かな場所でした。
娯楽の少ない場所でもあったので、俺は必然的に山を探検したり、川で魚を捕ったりして遊んでいました。
ある日、いつも魚を捕っている場所からずっと下流の方まで、魚を捕りに行ったことがありました。
そこには深緑の淵が広がっており、到底網で魚が捕れる場所ではありません。
どうしたものかと淵を覗き込みつつ付近を右往左往していた俺に、農家のお婆さんが声をかけてきました。
「あんた、気いつけんと落ち込むでよ」
川遊びをしている俺としては、この手の言葉は慣れています。
「いけるいける。ちゃんと気いつけとるけん」
などと軽く流して、そそくさとお婆さんから離れようとしたとき、後ろから追い討ちが。
「ここの淵には河童がおるけんな。引きずり込まれんようにしなよ」
まだ中学生で純粋だった俺のこと、さすがに怖くなり、その場を去ろうとしたときです。
視界の端にあった大きな岩の上から、何か大きな緑色のものが淵に向かって飛び込むのが見えました。
今思えば、岩の上で昼寝をしていたスッポンが俺の足音に驚いて逃げたのでしょうが、当時の俺はもう顔面蒼白で逃げ帰りました。
母親に「河童がいた!」と訴えたのを今でも覚えています(笑)
ちなみに、何故スッポンだと思ったのか。
実はそれから数年後、近辺を偶然自転車で通りかかったときのこと。
懐かしく思って川面を覗き込むと、例の岩の上に大きなスッポンが3匹ほど、重なり合うようにして甲羅干しをしていたのを見たからです。
あのとき見たのはスッポンだったんだなー、と納得した次第。
妖怪やUMAの多くは、こうした見間違いによって生まれるのかもしれません。
俺の体験談はこれくらいにして、次は祖父の昔話です。
祖父の語り口を真似て、そのまま書いてみます。
読みづらいでしょうが(笑)
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爺ちゃんがこまい(小さい)頃はなぁ、川もほら綺麗で、もっと深ぁてな。
底の方まで透き通っとって、魚が泳んぎょるんなんぼでも見えよった。
今は下(下流)に堰や作ってしもたけんあかんわ。
ほこの川の鉄橋の下や、ほら深かった。
あっこはおきょい(大きい)鯉がようけこと(たくさん)おってな。
一回、松茂(地名)の漁師が鯉を捕りに潜ったんじゃわ。
ほんで、今潜ったとおもたら、すぐに血相変えて飛び出してきよるけん、どしたんかいなと聞いてみたら、「三間(約5.4m)もある鯉がおって、こっちを睨んみょった」と言うて、ガタガタ震えよんじゃ。
ほの漁師、怖ぁて二度と潜らんようになったわ。
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上に書いた話は、俺が小学生の頃から何度となく祖父が聞かせてくれたものです。
この話を読み、「5.4mもある鯉なんかいるわけない」と思った人。
確かに、普通に考えて5.4mもある鯉なんかいるとは思えません。
しかしです。
祖父が子供だった頃と今とは全然違います。
何が違うかと言いますと、“神や妖怪が生活の中に生きていた時代” と “神や妖怪が表向き死んでしまった時代” という違いですね。
現代の人が5.4mの鯉と聞けば、「嘘だ」と即座に決め付けるでしょう。
けれど、当時の人は嘘だと決め付けることもなく、祖父もその漁師の話を「そういうこともあるだろう」と感じ、嘘だと思ったことはなかったそうです。
河童の話とは多少ずれますが、その巨鯉も水神様だったのかもしれません。
えーと、今回で河童は終わりにする予定だったんですが、やたら長くなってしまったのであと一回だけ続きます。
次回は河童の系統についてです。
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