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2012.09.08 Saturday
えー、ニュースや新聞でも報道されたようですので、もう書いてもいいでしょうw鳴門市土佐泊浦の千鳥ヶ浜に漂着した、全長4.7mのクジラの正体は、ツチクジラではなく、世界的にも希少な種であるイチョウハクジラでした。
いやー、素晴らしい!
我が徳島が生物史に名を残すわけですよ!
しかーし!
喜んでばかりはいられないんですよね、今回の件は。
もう少しで希少なクジラを焼却処分してしまうところだったのですから。
俺のような一般人が言うことじゃないのかもしれませんが、ツチクジラと同定した鳴門市と水産研究所には是非とも猛省していただきたいところです。
だってねぇ・・・。
現地に行って実物を前にして、GoogleでツチクジラのWikipediaや写真を検索して、目の前に横たわってるのと見比べたら、どう見ても違うんですよ。
俺のような素人でも明らかに「違う」と分かるレベルです。
では、どう違うのかというと、下顎と歯、それと体型です。
Wikipediaを見ると、ツチクジラは口を閉じていても前歯が見えるとのこと。
「ほほぉ、なるほど、なるほど」と目の前のクジラを見てみるじゃないですか。
前歯どころかパッと見では歯がないんですよ。
この時点で、もうツチクジラではないわけです。
(オウギハクジラ類は下顎に特徴的な歯が1対だけあります)
次に下顎。
ツチクジラの下顎は確かに湾曲しているのですが、画像検索でツチクジラの頭部の写真と見比べてみると、漂着クジラの下顎のアーチは、ツチクジラのそれよりも明らかに大きいのです。
また、体型もツチクジラは細長いとのことですが、オウギハクジラ類はわりと丸っこいフォルムらしく、漂着クジラはどちらかといえばその丸っこい体型でした。
更に言うなら、6日の記事にも書いたとおり、生まれたばかりにしては全身の傷跡が多すぎます。
最近できたような傷ばかりなら分かりますが、どう見ても古傷です。
しかし、これがハッブスオウギハクジラ、もしくはイチョウハクジラであれば、成獣の大きさは4.5〜6m足らずなので、傷跡の多さに関しても説明がつくわけです。
今回はイチョウハクジラとのことなので、通常の成獣サイズだったわけですね。
もうひとつ、俺が少し怒っていることがあります。
それは、ツチクジラと同定した鳴門市と県の、その後の対応です。
先日の記事にも書いたとおり、クジラは種類に関わらず、まだまだ謎の多い生き物です。
それを希少じゃないからといって焼却処分しようとしたのは納得がいきません。
だって、貴重なデータの塊ですよ。
そんな勿体無いことしてどうするんですか。
もっと真摯な対応をお願いしたいと思います。
いや、ホントにね。
ビーチコーミング :: comments (4) :: trackbacks (0)
Comments
森の人
::
2012/09/09 01:16 PM
確かにねぇ。ツチクジラの漂着としても、徳島では初めてらしいと聞きましたよ。また鯨が漂着していたら、我々が声を上げないといけませんね。
確かにねぇ。ツチクジラの漂着としても、徳島では初めてらしいと聞きましたよ。また鯨が漂着していたら、我々が声を上げないといけませんね。
渚の探偵:助手
::
2012/09/09 08:15 PM
漂着クジラがあれば、専門家に連絡がまわるようなネットワークを築くことができればいいですね。
漂着クジラがあれば、専門家に連絡がまわるようなネットワークを築くことができればいいですね。
とーま
::
2012/09/09 09:32 PM
>森の人様
ツチクジラの漂着例、今までなかったんですねー。
ビーチコーマーの数が増えれば声も大きくなるでしょうし、頑張って裾野を広げていきたいところです。
>森の人様
ツチクジラの漂着例、今までなかったんですねー。
ビーチコーマーの数が増えれば声も大きくなるでしょうし、頑張って裾野を広げていきたいところです。
とーま
::
2012/09/09 09:35 PM
>渚の探偵:助手様
そういうネットワークほしいですね!
今回は偶々、詳しい方が徳島新聞の記事を見てくださったので良かったですが・・・。
>渚の探偵:助手様
そういうネットワークほしいですね!
今回は偶々、詳しい方が徳島新聞の記事を見てくださったので良かったですが・・・。
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