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2016.05.12 Thursday
blogを更新しないまま5月も中旬。ゴールデンウィークもいつの間にか終わっていました。
これはアカン! ということで、既にTwitterに書いたネタの二番煎じですが……。
写真は吉野川干潟で拾った瓦質の羽釜片。
今まで拾ったものの中でも、最も大きなものです。
さて、この羽釜片ですが、俺はずっと瓦器だと言っていました。
瓦器は12世紀頃から畿内を中心に使われるようになったと言われています。
さて、そこで問題がひとつ。
この羽釜片はいつのものなのでしょう。
俺が吉野川干潟で拾った最も古い磁器は、18世紀初期から中期頃のものと思われる五弁花のついた肥前磁器皿片です。
それより古いものは今のところ見たことがありません。
実は、これは吉野川の歴史を考えれば当然のことなのです。
元々、現在の吉野川は別宮川(べっくがわ)という名前で、吉野川の支流のひとつでした。
その別宮川を徳島城防衛を目的として開削した結果、後の洪水で流路が変わってしまい、図らずも別宮川が本流になってしまったため、名前も別宮川から吉野川になったというわけです。
それまでは現在の旧吉野川が吉野川本流でした。
水の流れが大きく変わり水量が極端に減ってしまった旧吉野川へ、必要な量の水を流すために作られたのが、知る人ぞ知る吉野川第十堰です。
Wikipediaにも書かれていますが、第十堰が造られたのは1752年のこと。
ということは、別宮川が吉野川本流になったのはそれ以前、18世紀初期頃のはずです。
いつもの干潟で18世紀以前の陶磁器が出ない理由がわかりますね。
それ以前の陶磁器は、別宮川の川原だった場所、つまりもっと流芯に近い方に眠っているはず。
(あるとすれば、ですけどね)
逆に旧吉野川の場合は、現在は田畑や住宅街になっているところが元々の川原ですから、もしかしたら工事などで陶磁器などが出ることがあったやもしれません。
さて、そのようなわけですので、今回拾ったものも含めた瓦質の羽釜片などは、18世紀初期以降に作られたものである、という仮説が成り立つことになります。
前記したとおり瓦器といえば “中世の畿内” ですが、かなり長い期間生産されていたのでしょうね。
あとはこれらがどこで作られたものか分かれば面白いのですが。
リバーコーミング&陶片&ビン :: comments (2) :: trackbacks (0)
Comments
尚 nao.
::
2016/05/13 10:23 PM
瓦器は中世に作られたそうですが、その系譜を継いだ窯があったのでしょうね。
それにしても、こんなに大きな陶片が出るのはすごいですね。
こちらは、大きなものは滅多に出会えません。
最近は特に、数センチもない小さな欠片ばかり。
しかも、不勉強でなんだかわからないものばっかりです(苦笑)
それでも4月は鎌倉でいい青磁片が拾えましたよ。
瓦器は中世に作られたそうですが、その系譜を継いだ窯があったのでしょうね。
それにしても、こんなに大きな陶片が出るのはすごいですね。
こちらは、大きなものは滅多に出会えません。
最近は特に、数センチもない小さな欠片ばかり。
しかも、不勉強でなんだかわからないものばっかりです(苦笑)
それでも4月は鎌倉でいい青磁片が拾えましたよ。
とーま
::
2016/05/15 04:12 AM
>尚様
ご無沙汰しております。
土師器や瓦器は安価で使い勝手もよく、非常に長い期間、庶民の暮らしの中で使われてきたのでしょうね。
わざわざ遠方から運んでくるとコストが嵩みますから、どこか近くに窯があったのでは、と思うのですが、少なくとも徳島県内ではそういった窯の話は今のところ聞きません。
これからの研究が待たれます。
こちらは河口部の干潟ということもあって陶片は大きく、あまり磨耗もしていません。
条件としてはかなり良い場所なんですよね。
しかし、青磁片をはじめ、様々な時代の様々な陶片が出る鎌倉の海岸は、やはり陶片好きにとっては聖地とも言える場所です。
いつか訪れて歩いてみたいものです。
>尚様
ご無沙汰しております。
土師器や瓦器は安価で使い勝手もよく、非常に長い期間、庶民の暮らしの中で使われてきたのでしょうね。
わざわざ遠方から運んでくるとコストが嵩みますから、どこか近くに窯があったのでは、と思うのですが、少なくとも徳島県内ではそういった窯の話は今のところ聞きません。
これからの研究が待たれます。
こちらは河口部の干潟ということもあって陶片は大きく、あまり磨耗もしていません。
条件としてはかなり良い場所なんですよね。
しかし、青磁片をはじめ、様々な時代の様々な陶片が出る鎌倉の海岸は、やはり陶片好きにとっては聖地とも言える場所です。
いつか訪れて歩いてみたいものです。
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