BABY BOX TENGOR




ドイツのZEISS IKON社製ボックスカメラ、BABY BOX TENGORです。
その名の通り、BOX TENGORのミニチュア版といったところ。
フィルムは127フィルム(通称ベスト判)というものを使います。
127判は手に入りにくいので、120フィルム(通称ブローニー)をカットして使う人が多いようです。
このBABY BOX TENGOR、ペイント剥げ、張り皮捲れ、錆だらけと見た目はボロボロ。
しかし、レンズは奇跡と言えるほどに状態がよく、中も掃除したので絶好調。
見た目も大事ですが、何より動かなければどうしようもありませんからね。
問題はフィルムの調達ですが……。




見ての通り、錆だらけです。
使い込まれたせいなのか、放置されていたからこうなったのか……。
製造年は1931年とのことですから、仕方ないと言えば仕方ないですね。
ボディ上部に見えるのは素通しのファインダーです。
レンズはGOERZ FRONTAR F11/50mm 凹レンズと凸レンズを貼り合わせた単玉です。




一番大きなノブが巻き上げノブ。
すぐ右側に見えるレバーのようなものは、シャッター速度の切り替えレバー。
といっても、BとI(1/50くらい?)しかないのですが。
巻き上げノブの下の金具は裏蓋のロックです。
その右下が押し下げ式のシャッターレバー。
さすがに小さいので使いにくいです。




BABY BOX TENGORは、ベスト判(6.5x4)の半分の画面サイズ3x4を使います。
そのため、通称ベスト半裁判(ベビー判)と呼ばれます。
フィルムが手元に無いので想像ですが、まずは下の赤窓に1を出し、撮影したら上の赤窓に1を出し、
次に下の赤窓に2を出し……という、セミ判のBOX TENGORと同じような使い方をするのだと思います。




ファインダーを起こすとこんな感じ。
なかなか投げやりな感じです。
フレーミングが難しそう。




6x9判のBOX TENGORと比べてみましょう。
BOX TENGORも、そんなに大きなカメラではないのですが……。




この差。
ベビーの名が与えられるのも頷けます。




ちなみに、セミ判のBOX TENGORと比べてもこれだけ差があります。
正面からではわかりにくいですが……。




横にするとこの通り。
驚異的な小ささです。




比較用に普通の35mmフィルムを置いてみました。
BABY BOX TENGORの前面は、丁度タバコの箱と同じくらいの大きさ。
フィルムが手に入り次第試写してみたいです。