BOX TENGOR




ドイツのZEISS IKON社製ボックスカメラ、ボックス・テンゴールです。
ボックスカメラは最もシンプルな機構のカメラです。
左が6x9判で、右はセミ判です。
製造年代は左の方が新しいです。




まずはセミ判の説明から。
正面上部に並んだ二つの丸い窓がファインダー窓です。
ここから撮影対象の像が入って中のミラーに反射し、上面(または側面)のファインダーグラスに映るという仕組みです。
レンズはGOERZ FRONTAR F11 凹レンズと凸レンズの二枚を貼り合わせたメニスカス・アクロマートと呼ばれるもの。
レンズ上部にあるレバーは距離合わせ用のもの。
1〜3mと3m〜∞の二段階切り替えです。
レンズ下部のレバーは絞りで、11と22の二段階。
シンプルです。




菱形の大きなノブが巻き上げノブ。
その右側にある窓が縦位置用のファインダーです。
その下の金具は裏蓋のロックで、指をかけて引き上げるとロックが外れます。
裏蓋ロックの右側にあるのがシャッターの切り替え。
引き上げるとTで、押し込んだ状態だとI(約1/50)です。
その下にあるのが押し下げ式シャッターレバー。
すぐ左側の金具でシャッターをロックすることもできます。




ボディ上面にあるファインダーは横位置用。
左側面に見える穴は三脚穴で、底面にもあります。
赤窓は二つ。
ブローニーフィルムの6x9用の数字を使います。
まずは下の赤窓に1が出るまで巻き上げ、撮影したら上の赤窓に1が来るようにします。
撮影したら次は下の赤窓に2が来るように。
次は上の赤窓に2がくるように……といった感じです。




続いて6x9判です。
正面はほぼ同じですが、距離は1〜2m、2〜8m、8〜∞の三段階になっています。
絞りも一段階増え、9、11、16の三段階切り替えです。
レンズは同じGOERZ FRONTARですが、F値は当然9です。




大きな丸いノブが巻き上げノブ。
その右側は横位置用ファインダー。
小さな丸いノブのようなものは、裏蓋のロックです。
セミ判と同じく、引き上げるとロックが外れるようになっています。
ボディ右側面右下のレバーがシャッターレバー。
その左側にある小さなレバーはシャッターロックです。




ボディ上面にあるファインダーが縦位置用。
セミ判とは逆なので注意が必要です。
ボディ左側面にあるレバーは、シャッター速度の切り替えレバー。
TとMの二種類が書かれていますが、MはIと同じ、約1/50のスピードです。
後面にあるのは赤窓で、撮影時に光が入らないようカバーもついています。




ボディ上面。
ファインダーの反対側に白い小さな窓があるのがわかるでしょうか。
これは二重写し防止用の窓で、これが白のうちはシャッターが下りません。




このように赤になるまで巻き上げノブを巻き上げてやると、シャッターが下りるようになります。
たかがボックスカメラといえど、さすがZEISSですね。