このページは、EXA 1bの取扱、および各部名称について書いています。
ちなみに、管理人の手元には既にEXA 1bはありません。
新しい持ち主の元へと旅立って行きました。
以下の取扱説明資料は、新しい持ち主が操作に迷わないように作ったものです。
印刷することを念頭において作成した資料のため、使用されている写真は全てモノクロにしてあります。
ご了承ください。
by 管理人 とーま
EXA 1b 取扱説明資料
エクサ(EXA)は旧東ドイツのイハゲー(IHAGEE)社の製品です。
イハゲー社といえば、世界初とも言える35mmフィルム使用一眼レフ、キネ・エキザクタ(KINE EXAKTA)を開発した会社です。
また、世界初のファインダー交換式一眼レフである、エキザクタ・ヴァレックス(EXAKTA VAREX)の開発でも有名です。
当時、エキザクタ・ヴァレックスは非常に高価で、一般大衆が気軽に買えるものではありませんでした。
そこでエキザクタ・ヴァレックスの普及版として、1951年よりエクサの製造が開始されました。
エクサには多くの種類があります。
オリジナル(Type1〜6)、1、1a、1b、1c、U、Ua、500等は時々オークションでも見かけますが、
他にも亜種が存在しているようです。
今回取り上げる1b型は、IHAGEE社の製品としては比較的後期のものになります。
エクサは1b型と1c型を除き、レンズマウントはエキザクタマウントになっています。
エキザクタマウントの世界も勿論楽しいのですが、やはりM42マウントレンズの方が数も種類も多く、
レンズを選ぶ楽しみという点では勝っていると言えるかもしれません。
EXA 1b 仕様
名称 |
EXA 1b |
生産国 |
旧東ドイツ ドレスデン |
製造 |
イハゲー(IHAGEE)社 |
形式 |
ファインダー交換式一眼レフカメラ |
シャッター機構 |
メタルセクターシャッター |
シャッター速度 |
B、1/30、1/60、1/125、1/175 |
ファインダー |
着脱式ウエストレベル、またはプリズム(アイレベル) エキザクタ互換 |
レンズマウント |
M42(プラクチカ)マウント |
使用フィルム |
135フィルム(35mm) |
各部の名称と操作
1、シャッターボタン
2、シンクロ接点
3、ストラップリング
シンメトリィで美しい正面です。
前記しましたが、マウントはM42です。
上から見た図です。
特徴的なフォルムをしています。
次ページにて各部を拡大してみます。
4、巻き上げレバー
5、フィルムカウンター
6、リマインダー(フィルム感度メモ用)
7、巻き戻しボタン
フィルムカウンターは真中のツマミを回して合わせてください。
ちなみに逆算式です。
巻き戻しボタンはフィルムを巻き戻す際に、スプールをフリーにするためのボタンです。
巻き上げ中は、このボタンを押しっぱなしにしていなければなりません。
位置的にシャッターボタンだと思う人が多いようです。
8、シャッタースピードダイヤル
9、巻き戻しクランク
ダイヤルは黒い三角のマークに合わせてください。
巻き戻しの際はクランクを引き起こし、巻き戻しボタンを押した上で回してください。
10、ファインダー開放ボタン
11、シャッターロックレバー
シャッターロックレバーを矢印の方向へ動かし……。
このように赤点を出すと、シャッターが切れない状態になります。
ファインダー開放ボタンを押すことで、次の写真のようにファインダーが開きます。
また、開放ボタン下の黒い部分に指をかけ、引き上げてやればファインダーが外れます。
12、ピント合わせ用ルーペ
13、裏蓋開閉ノブと三脚穴
裏蓋を開けるには……。
このように赤点を合わせてやります。
あとは、底を持って引き上げてやれば、底部と裏蓋が丸ごと外れます。
少しコツが必要です。
14、フィルムスプール
15、フィルム圧板
裏蓋を開くと、このようになります。
フィルムは左側に挿入し、右側のスプールの芯とアルミ板の間に噛ませてやります。
裏蓋を閉じるときは開くときの逆手順です。
一枚目の撮影前には、二〜三回空シャッターを切ってください。
16、メタルセクターシャッター
巻き上げレバーを巻き上げると、次ページの写真のようになります。
見辛いですが、このようにミラーが現れます。
シャッターを切るとミラーは跳ね上がり、ファインダー内がブラックアウトします。
ミラーがシャッター幕の一部分として動くという、変わった機構のシャッターです。
最後に
注意点がいくつかあります。
@ EXA 1bというカメラの形状上、どうしても持ちにくくなっています。
ホールド性は極めて悪いので、あまり手で持ち歩く撮影はおすすめできません。
ケースかストラップをご使用ください。
A EXA 1bの特徴でもあるメタルセクターシャッターについてです。
かなりシャッターショックが強くなっていますので、しっかり固定して撮影しなければ、
手ブレ写真が増えることになってしまいます。
B EXA 1bは大抵のM42マウントのレンズが使用可能ですが、SMCタクマーだけは使わないようにしてください。
絞りピンの位置のせいで、取りつけたが最後、外れなくなってしまいます。
EXA 1bは決して使いやすいカメラではありませんし、スペックも現代のカメラとは比べるべくもないものです。
しかし、その独特のフォルムと、シャッターを切ったときの軽快で愛らしい、少し間の抜けた音は我々を魅了してくれます。
また、冒頭でも書きましたが、M42マウントのレンズが使えることで色々な可能性を秘めているカメラとも言えます。
その可能性を個々のセンスで引き出し、是非この個性溢れるカメラを楽しんでください。
お役立ちリンク
Ihagee Exa cameras, all models 海外のサイトです。歴代エクサが網羅されています。型式を調べたりするのに便利です。